アルコール依存は、遺伝しやすい?
人間が、なぜアルコールを始めとする、薬物や万引きなどの行為に、
依存してしまうかは、一概にこうだと説明するのが難しく、奥の深い問題だ。
生まれもっての体質や気質、両親との関係、生活環境やストレスなど、
様々な要因が、複雑に絡み合っていることは、間違いない。
医学的には、まだ解明されていないものの、心理学の見地からは、
どのような過程を経て、依存が形成されるかについての研究が進んでいる。
まず、アルコール依存症の人には、幼少期に崩壊しかけた家庭の中で、
大人の様な役割を担わされた経験を持つ人が、多いと言われている。
要するに、アルコール依存の親に育てられた人は、
成長してから、アルコール依存になりやすいということである。
アルコール問題のある家庭に生まれた子どもは、
家族が壊れることの危機感を、自分が壊れることの危機感と、連動して成長していく。
子どもらしい子ども時代を送ることができないため、
満たされない思いを、心のどこかに残してしまい、
それを埋めるために、大人になってから、アルコールなどに依存してしまうのである。
こういった傾向は、アルコールのみならず、
薬物、あるいは、生活保護に至るまで、共通している部分が多い。
いわゆる、「負の連鎖」 である。
もちろん、すべての子どもが、そのように育つわけではない。
しかし、不思議なことに、同じような境遇に育った人を、
配偶者に選ぶ確率は、かなり高いのだ。
格差社会と呼ばれる社会が続く昨今、
どこかで歯止めをかけなければ、この状況は、さらに広まるに違いない。
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