アルコール依存症と、生活環境(原因)について!
アルコール依存症の原因となるものは、色々と考えられている。
脳の記憶を司る部分の問題、依存症を招く遺伝子の問題、
アルコール分解酵素の問題といった、元々その人が持つ、身体的要因に加え、
育つ環境や職場などの、生活環境も、依存症を招く原因の1つであることは否定できないが、
はっきりとしたプロセスは、現代の医学をもってしても、未だに解明されていない。
生活環境の中で、原因の1つに挙げられているのが、”イネーブラー”(助力者)の存在だ。
要するに、アルコール依存患者が、酒を飲むことを可能にしている人のことで、
それが、たとえ善意であったとしても、結果的に、依存症悪化に繋がっていることが問題だ。
親や配偶者が、その役割を果たすことが多く、
付き合いのいい人や理解ある上司が、イネーブラーになってしまうこともある。
時には、善意や優しさを押し殺して、患者に対応しなければならないのが、
アルコールを始め、依存症患者治療の辛いところだ。
しかし、アルコール依存症患者の多くが、働きもせず、
酒を自由に飲んでいられる背景には、イネーブラーと経済的な援助が、必ず存在する。
欲しがるものを与えるだけが、優しさではない。
まして、親が子にする行為なら、尚更、愛情と呼べるものではない。
家庭や学校で、子どもを叱ることが少なくなったと、言われて久しいが、
若年層で、アルコール依存症に陥る人数が増えている背景には、
こうしたことも関係しているのではないだろうか。
罰を与えることを、一概に肯定するわけではないが、
「いいことをすれば褒められ、悪いことをすれば怒られる」という当たり前のことが、
薄くなっている社会の今後に、危機感を覚えざるを得ない。
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