ノロウイルスに注意しよう!
ノロウイルスによる腸炎が、明らかになってきたのは、
1970年代の終わり頃からのことで、現在では、
多くの国で、主に、冬場の食中毒の原因になっている。
特にアメリカでは、毎年2300万人の患者が、発生していると言われている。
日本において、ノロウイルスが食中毒の原因として、
目立ち始めてきたのは、1990年代後半のことで、
現在では、食中毒患者の、”約3分の1” を占めるに、至っている。
ノロウイルスの特徴は、僅か100個程度のウイルスが腸に入っても、発病してしまうことだ。
そのため、患者の吐物は、危険な感染源の1つとなっており、
保育所や老人施設、あるいは、ホテルやクルーザーなど、
狭い空間で共同生活をする環境では、ノロウイルスによる集団感染が、
時々起きてしまうのである。
下水を通して、ウイルスが環境を汚染し、ひいては、食物を汚染している場合がある。
また、感染者が、食べ物を、直接ウイルスで汚染していることもある。
学校給食やレストランなどの従業員が、保菌者として仕事に従事し、
その結果、集団食中毒に繋がるケースもある。
ノロウイルスが食事を通じて体内に入ると、
およそ1日〜2日程度の潜伏期間を経て、食中毒を発症する。
カキなどの貝類が、原因となるケースが多いと言われているが、
元をただせば、ノロウイルスに感染した人の糞便が、下水に流れ込んだ後、
川から海に広がり、ウイルスが海水を汚染しているからだろう。
カキが、ノロウイルスに汚染されることが多いのは、
私たち自身の生活によるところが大きいということを、
はっきりさせないと、いつまでもカキだけを悪者にし、
産地に大きな損害を与えるだけだ。
夏は起こる可能性が低いとはいえ、
そういったことも含め、注意しておかなければならないだろう。
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