増えているカンピロバクター!
日本においてノロウイルス、サルモネラに次いで、
食中毒の原因となっているのが、「カンピロバクター」 という細菌である。
かつては開発途上国で、乳幼児が下痢を起こす、
最も重要な原因になっていたこの細菌だが、
先進国でも、カンピロバクターによる食中毒に罹患している人が多く、
アメリカやイギリスで、毎年多くの患者が感染し、下痢を引き起こしている。
日本の場合は、外国に比べ少ない方だが、
その理由として挙げられるのは、原因食品が、肉や生乳に多いからである。
しかし、食の欧米化と言われて久しい日本において、これからは、
カンピロバクターによる食中毒が増えていく可能性もあるから、要注意だ。
他の食中毒が、免疫力が落ちている高齢者が、
罹患することが多いのに比べて、カンピロバクターの場合は、
5歳以下の幼児と、20代の若者に感染が多いのが、特徴の1つである。
発展した医学の力をもってしても、その理由は、未だ解明されていない。
ごくわずかの菌数で感染してしまうのが特徴で、
潜伏期間は、2日〜5日と、他の菌に比べて潜伏期間が長い。
発症してからは、多くの食中毒が短期間で回復するのに対して、
カンピロバクターの場合は、数日から1週間に渡って続いてしまったり、
4分の1程度は、症状がぶり返してしまうという、やっかいな特徴を持っている。
散発的に起こることと、潜伏期間が長いため、
感染源を特定するのが難しい、カンピロバクターだが、
大部分は、鳥肉関係ということが判明している。
食塩に弱く、熱に弱いカンピロバクターを、
家庭で予防することは、それほど難しくない。
鳥肉に十分火を通し、調理環境を清潔に保っておけば、
感染することはほとんどない。
ただ、ペットを飼っている人は、
そこから感染する恐れもあるので、注意しよう。
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