感染症が治らない時代が来る?
細菌と抗生物質のシーソーゲームが、いつから始まったのか言ええば、
1928年のペニシリン発見からと、言われている。
抗生物質あるところ、常に抗生物質耐性も存在しているわけで、
1990年代には、バンコマイシン耐性菌が世界中に広がったように、
現場の医師達は、いつか治療薬が無くなってしまうのではと、
警鐘を鳴らし続けてきた。
ここにきて、最強の抗生物質、『カルバペネム』 も効果がない、
「スーパー耐性菌」 が、世界中に広がるのではと言われている。
それは、『グラム陰性菌』 と呼ばれるもので、
これに効く薬の開発はまだ、それほど進んでいない。
グラム陰性菌の特徴は、菌同士で簡単に遺伝子を交換するところにある。
要するに、広まると、これまで治っていた多くの菌種で、
薬がどれも効かなくなるということだ。
つまり、多くの一般的な感染症の治療ができなくなる恐れがある。
細菌が新しく進化するのに、だいたい20分ほどしか必要としないのに対し、
新薬の開発には、10年以上かかっているのが、現状だ。
幸い日本においては、いまだ数例しか確認されてはいない。
こういった耐性菌の問題は、元来、病院内に限定された世界であったが、
今後は、尿路感染症や肺炎など、日常生活の中で罹患するような、
感染症の間で、広まるかもしれない。
薬剤耐性への対策は、もはや、待ったなしの課題となっている。
今日使用されている抗生物質のほとんどは、細菌やカビによって生産されているか、
天然の抗生物質に、化学的な修飾を施している。新しい方法の探索に期待したい。
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